|
平凡な日用のうちに生きている美。
機織り人でありながらも利休美学の根本観念に傾倒し、
制作意識をかえりみる常日頃。
作品への想いとはうらはらに一区切りつく毎々、夕鶴のつうのごとく身も心も細り、
部屋の中の糸、糸、糸の散乱の世界に住む私。
あまり雑然さに空気の澱みすら感じられ、そうした制作の日々からいつの間にか、刺激と休息のバランスを保つことも覚えました。
ある日、冷たい風と空気に晒されたくカフェテラスへ。
映る光景と道行く人のさまを眺めていましたが、あまりの空っぽさに我に帰り、お煎茶の先生を訪ねました。
いつものやさしい眼差し、変わらぬいつもの静けさ、「あ、うん」の床飾り、伽羅の香に迎えられました。
茶人趣味にはほど遠い私ですが、ここは現実の中で静寂に身を置くことのできる唯一の場所。
エレガントな女性茶人の教養の深さは慎ましく、道を極める日々の生活の厳しさと強さは限りない美しさが漂います。
お話しながらの一服に、心身が洗われ、満たされました。
優雅さに私までも包みこんでくださるのひとときは、至上の休息。
そして帰路、学びたいことの多さを気付かされました。
芦屋市立美術館庭園(雨天の場合、美術館内)でアートマルシェが5月3日、4日に開催されます。
手織機一台と『エト・デ・フィ』とネーミングされたトートバッグ、ストール等で参加いたします。
爽やかな野外の楽しいバザール、ハタ織りにお出かけくださいましたら幸いです。
丸山洋子
|