« 2011年03月 | メイン | 2011年05月 »

2011年04月27日

浪花の足袋の物語

vol73.gif


前回に引き続き、足袋のお話でございます。


たかが足袋、
されど足袋

奥深~いお話を一つ。


10年ほど前、

よく通っていた料亭がミナミにありました。


料亭と言ってもたいそうな門構えでもなく、
数席のカウンターと小部屋が3つぐらいある、

割烹と料亭の中間くらいのお店です。


とはいえ、ミナミの界隈では、
イチゲンさんはとても暖簾を
くぐれない風格を持ってます。


店内は昭和40年代の上質な空気が流れるしつらえで、

一枚板のカウンターの内側が畳、
外側が椅子という変わった作り。

仲居さん達はその畳側に正座して接待やお給仕します。


小さな坪庭には江戸時代の石の道標や、
品のいい松が植えてあったりして、

なかなかの雰囲気を醸していました。


掛け軸や器、調度品、すべてに目が行き届いた
格調のある料理店でした。


しかしながら

京都の老舗料理店にあるような見高さや冷たさはなく、
いかにも大阪らしく、

ホグレのあるお店です。


実はワタクシがその店に通いつめていたのは、
そのしつらえや調度品、料理が目的ではありません。


女将さんです。

女将さんに会いに行ってました。


ワタクシの母と同じでしたから、
当時は70代半ばだったかと思います。

非常に見識と教養の高い方で、
いかにもミナミの女将さんといった風情の素敵な人ながら…

おもろい人なんです!


大阪っぽいと言うか、
吉本っぽいと言うか、

東京にも京都にも絶対にいないタイプでございます。


「イラッシャ~イ!」と、

戎さまのように満面笑顔で迎えてもらえ、
きめ細かいサービスでもてなしていただけるのですが、

歯に衣着せぬ物言いで、はっきりと批判や助言も仰る。


にもかかわらず、
人を不愉快な気持ちにはさせない、

本当に不思議なキャラクターの持ち主です。


そして何よりも、

お軸のこと、茶碗や骨董、香道、芸能のことなど
幅広い教養をお持ちでした。


ワタクシはそれをご教授頂くために、
足しげく通っていたのです。


お店からの帰途は、
おいしい料理と彼女の話で、

お腹も心も豊かな気持ちで
いっぱいになっていました。


そして、

彼女自身の装いも素晴らしく、
落ち着いた色合いの紬が多かったようですが、

決して地味になりすぎず、
パッと明るいオーラを醸していたのは

彼女のお人柄と趣味の良さのせいでしょう。


ただ、何度か通っているうちに、


ある一点から
目が離せなくなってきたのです。


それは、

足袋です。


前回のエッセイでも述べましたように、

足元の足袋は重要です。


その方の人格、教養、緊張感、清潔感が
皺ひとつない足袋に表れてきます。

こんなに素敵な女将さん、
その足元の足袋があまりに意外だったのです。


大きく、だぶついた足袋…!


冗談でしょ、嘘でしょ、
あり得ないでしょ!


あれだけ完璧な装いなのに、

足袋だけが異質なほど緊張感がない…。


人格と足袋がバラバラです。


不思議な光景でした。


その足袋に気付いてからは、

行くたびにその一点から
目が離せなくなってしまったのです。


ほんのワンサイズ小さくするだけでも、
ずいぶん印象が変わるであろうに。


進言しようかどうか、

迷いに迷ったのち、半年ぐらい経った後、


思いきって切り出しました。


「あのぅ、以前から気になってたんですけどぅ」

「なんでっしゃろ」

「足袋…女将さんの足袋なんですけど、
 もうちょっと小さい足袋やったら、
 もっとシャキッと格好ようなるかと思うんですけど」


ひゃ~、
 えらいとこに気ィつきはりましたなぁ。

 
 せやけどなぁ、

 よう聞きなはれやミツハッさん

「あ、はい」


「足元までピシッと決めてたら
 大阪では商売できまへんで。」


「はぁ?」


「足元までスキのう、きちーいんと決めはるのは、
 京都の女将のするこちゃ。

 大阪でそんなことしたら、
 窮屈過ぎて、誰も寄りつかへんでっせ。」


「はぁ…」


「スキをうまいこと作らんと。

 お客はんより見高うしたらあきまへん。

 お客はんはスキに入ってきはりますねんで、

 ミツハッさん。」


この時、


ワタクシの目からウロコが
パラパラ音をたてて落ちていたのに違いありません。


浪花の商売の核心です!


阿保になって儲けろ、
と我が父もよく申しておりました。


大阪とはこういうとこでございます。


東京では、阿保になったら、
ほんまに阿保やと思うようです。


大阪では賢い人ほど阿保になれます。


やっぱり女将は賢い!


彼女から様々なことを教わりましたが、
この足袋の一件がワタクシにとって最も胸に響いた教えです。


お稽古事のように行儀作法を見せる時は
ピシッとした足袋。

商売の時はホグレのある足袋。


ケースバイケースで微妙にサイズを変える。

これぞ浪花の商人(あきんど)の知恵!


東育ちのお方には、
決して真似できない高度な芸当でおます。


足袋の奥深~いお話でございました。

投稿者 tadashi : 10:16 | コメント (0) | トラックバック

2011年04月25日

ソックリさん

kinkyou.gif


ちょっと昔の写真で恐縮でございますが、


ワタクシの携帯待ち受けにしているのが、
愛猫シロご幼少の

この写真。


060105_220450.jpg


これを見て、我が友人は呟きました。


「う~ん、

誰かに似てる…


え~と…


堀北真希!


如何でございましょうか、

似てまして?

投稿者 tadashi : 15:12 | コメント (1) | トラックバック

2011年04月19日

MIYABIUTA

kinkyou.gif


最近よく聴いているのが、このCD。

110410_1040~01.jpg


万葉集の歌の数々を、
洋楽の旋律に乗せて歌ってらっしゃる、

歌枕直美さんのCDです。


取っつきにくい万葉集の歌ですが、

歌枕さんの透明感ある声で聴くと、
とても分かりやすく、

しかも奥深いものとなるから不思議。


言の葉の持つ、
不変的美と力に酔いしれ、

これは必聴!


心に風がおこるCDです。


ちなみに歌枕さんの名字名は

ご本名…


お見事!

投稿者 tadashi : 17:00 | コメント (0) | トラックバック

2011年04月08日

新薔薇!

kinkyou.gif


またまた

新薔薇発見です。


110405_0858~01.jpg


なんと、たおやかな色合い!


そして奥深い
バイオレットピンクのグラデーション!


名は「ラプソディー」

日本語だと狂詩曲ですよね。


美しすぎてクルッちゃいそう!

投稿者 tadashi : 14:05 | コメント (0) | トラックバック