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2006年10月25日
伝道師流、宝石の身につけ方

私クシ宝石が大好きでございます。
どれぐらい好きかと申し上げますと、薔薇よりも
好物の柿の種よりも、親兄弟よりもずっと好きでございます。
人生をかけて好きなのです。
この宝石狂いは今に始まったわけではございません。
物心ついた幼き頃からの心の病でございます。
まだ三つ四つの頃、幼稚園に行く時、
手をつないでいた祖母のシワだらけの指にはめられた
小さなダイヤの指輪に目がくぎづけになっていたのが最初の記憶。
近所に遊びに行くのも、
公園やオモチャ屋さんなんぞは目もくれず通り過ぎ、
向かうのは商店街の小さな宝石屋さん。
今から思えばガーネットやトパーズだったでしょうが、
その強烈な赤や黄の色を放つ不思議な生き物に
幼児の心は完全に餌食になっていたのを覚えています。
小学校に上がると、家にはまっすぐ帰らず、
市電やバスを乗り継いで心斎橋筋へ直行。
目的地は、今でも立派に存在する「芝翫香」という老舗宝石店。
そこが私クシの小学校時代の放課後の遊び場でございました。
今でも、はっきり目に焼きついているのが二つの宝石。
神秘的な高貴なブルーを放つアメ玉の大きさを誇るサファイア。
そして、突き刺すような閃光で子供の目をくらます、
数カラットのダイアモンド。
この二つの指輪の光に溺れた小学生の心は完全に奪われてしまい、
雨の日も、風の日も、雪の日も心斎橋に通っていたのでございました。
日が暮れて、帰りが遅くなっても大丈夫。
芝翫香の店員さんが「お宅のぼん、また来てはりまっせ。早よ迎えにきておくれやす。」と家に電話をしてくれるのです。
常習犯ですから、家の者も店員さんも大して騒がず、驚かず
馴れたもんで自宅強制連行されておりました。
あれから半世紀近く。
今でも心斎橋を歩くと、必ず芝翫香のウィンドーに立ち寄っております。
半世紀の間、私クシなーんにも変わっておりません…。
ともかく、宝石を見ていると、心が安らかに癒され、
穏やかな息ができるのでございます。
そして、何よりも豊かな気分に満たされ、
体中に力がみなぎり、幸福感でいっぱいになり、
現実から解放され虚構の優雅さ、典雅さ、
高雅さの世界に耽溺して…ああ、分りません!!
宝石をじっと見つめてると頭がヘンになりそう!
ともかく宝石大好きなのでございます。そんな訳でございますので、
オッサンのわりには、宝石は少なからず持っております。
車にも、不動産にも、株にも全く興味のない私くしでございますから、
余った持ち金はすべて宝石に化けてしまうのでございます。
(あの小学生の頃の心斎橋の遊び場で見た強烈なダイアモンドと
サファイアのせいか私クシの宝石はこの二種類限定。)
細木様や美輪様には遠く及びませんが、自慢たらしそうな、
身分不相応のダイアモンドとサファイアの指輪を所持しております。
この指輪達は、私クシのすべて、
人生そのもの、命でございます。
ところが、この指輪達、あまり人目にさらされるチャンスがございません。
外出先で身につけることは殆どないのです。
私クシとて、清水の舞台からころげ落ちて大枚はたいたのですから、
世間に見せびらかしたいのはヤマヤマ。
でも、それができない理由は二つ。
一つは、宝石が似合わない手であること。
私クシの指は異常に短く、ピアノで言えばオクターヴぎりぎりの長さ。
おまけに皮膚が薄く、とっても軟弱。
こんな手は、完全に宝石に負けてしまい、
身体そのものまでが惨じめたらしく見えてしまいます。
もう一つは、アクセサリーを身につけるのが嫌いなこと。
えっ?と思われるかもしれませんが、
私クシ、腕時計すら身につけるのが嫌なのでございます。
勿論、ピアスの穴はございません。
ですので、耳輪も首輪も腕輪もしたことはございません。
この一見デコラティヴで耽美的趣味を持つ人間が、
アクセサリー嫌いとは意外でございましょ。
では、何んで宝石の指輪を持っているかと思われるかもしれません。
私クシ、宝石は宝石であって、
アクセサリーとは考えていないのでございます。
私クシにとっては、護符、お守り、観賞用の恋人、
美のエネルギー源みたいなもんで、
決して我が身を飾りたてるものではないのでございます。
ですから、いつでも自分の視界に入る指輪という形態にして眺めているわけです。
では、その指輪達はいつはめるかと言うと…家ではめます。
外出先から戻って、帰宅するやいなやダイアモンドとサファイアを
身につけるのです。
そうすると、ほっとして何かに守られたような気分になり、
とても落ちつくのです。
家の掃除をする時、お茶碗を洗う時、洗濯をする時も必ず身につけます。
そういった所帯っぽい家事の仕事をする時は特にダイアモンドは有効で、
指先のキラキラを感じながらのベランダ洗濯干しなんぞは、
それはもう、至福の時でございます。
そしてもう一つ、忘れてならない重要なのが、就寝時。
眠りにつく時サファイアの指輪をしていると、
安らかに深い眠りに誘われるのです。
朝の目覚めは東日を受けて燦然と光り輝くダイアモンドとサファイアが、
私クシのアラームでございます。
彼らの朝の美しきオーラは必ずや華麗なる一日を約束してくれるのです。
如何でございましょうか。
これが伝道師流宝石の身につけ方でございます。
とてもゴージャスでエレガントな宝石の身につけ方でござあ〜ましょ。
投稿者 tadashi : 2006年10月25日 12:36
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コメント
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投稿者 miyu : 2007年02月09日 15:05


