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トップspare time >タカラヅカふぁんのディープな生活14


第14場青田買い
 

文字通り将来どうなるか分からないのに、今から目をつけることです。あ、でも宝塚ファンの公用語ではないと思われますので念のため。

 

●将来性…

宝塚ファンの楽しみの一つとして、下級生の頃からその成長を見守るというのがあります。実際、私の場合も今の贔屓は初舞台の頃から観続けています。友人たちも、皆がみんなそうというわけではありませんが、研1、研2のころからずっとという者もたくさんいます。
別に初舞台だから観にいったわけでもないのに、まだ海のものとも、山のものとも分からぬ口上や、ロケットになぜかときめいて、ファンレターを書いてみたりすると、割りとお返事が返ってくることもありますし、そこからファンと生徒、もしくはお友達づきあいのような関係も始まったりします。
まあ、でも初舞台で見初めたのならそんなおのれ(もしくは友人たち)の行動を『青田買い』などと愛情と侮蔑(笑)を込めて称したりしません。
芸名が決まる前だから『青田』。買い取ったり、刈り取ったりはしないけど気にして行く末を見守り続ける、この愚かな行動のはじまりを『青田買い』と仲間内で呼んでおります。

 

 

●5月半ば

音楽学校の生徒さんを見る機会はムラ近郊であれば山ほどあります。音楽学校の合格発表などはTVニュースにもなったりしますから、それこそ入ったばかりの頃から「これは!」と思う生徒さんを見つけることだって可能です。でも一堂に会している予科生(または本科生)を見るのに一番都合がいいのは、春のすみれ売りでしょう。しかも袴姿(ただし着物は紋付ではなく色着物の略礼装)だったりしますから、その意味でも必見でしょう。
予科生の場合(恐らく)初めてお化粧してファンの前に出るわけですから、お化粧のひどさは大目に見てあげてください(笑)。

毎年5月半ばから下旬の週末、2週にわたり、宝塚ファミリーランド正面ゲート付近で行われる募金活動が通称『すみれ売り』。ファミリーランドに遊びに行った時「社会を明るくする運動にご協力くださーい!」という甲高い乙女の声を耳にされたことないですか?あれです。
予科生の日と本科生の日がありますから、お間違えのなきように。スケジュールについては最近は宝塚の公式HPで発表があります。
それこそ何十年も変らないすみれの造花1本、もしくは束で音楽学校生からいただき募金箱に何がしかの善意の募金を行います。写真撮影、ビデオ撮影はもちろんOKの、ある意味無礼講。ツーショットだって可能ですし、お名前も教えてくれますが、その時は必ず募金してからにしましょう。
以前はファミリーランド内のそこここにちらばって二人一組くらいで募金活動を行っていたのではなかったでしょうか。最近は5人1グループくらいで活動しているようですし、正面ゲート(もしくは大劇場ロビー)にとどまっているようです。だからすみれ売りの当日のゲート前は音楽学校生(自分たちの番じゃない生徒も必ず訪問して募金しているようですからほぼ全生徒)、その父兄・親族。お稽古場の後輩、当然青田買い目的のファン。大劇場観劇に来た観客などでごった返しています。
毎年の恒例行事としてすみれ募金に行く地元の方もおられましょうが、毎年の恒例行事として青田買いに出向く愚かなファンもそれ以上にいます。「去年も見たなー」とこちらが思うんですから、あちらだって「今年も来てんのかい!」と思っていらっしゃることでしょう。まあ、そんなファンがうじゃうじゃしているわけです。

でも、誤解しないでくださいね。最初からすみれ売りだけが目的で関東からわざわざ足を運んでいるわけではないのです。
『たまたまTCAと重なった』とか、『贔屓の組の公演中』だったとかですみれ売りに当たっちゃったというのが、始まり。それが予科生の日で「お?」とちょっと目を引く子なんかがいたら、本科になった姿も見ておかねば!初舞台も見なければ!……ということになるのです。……これを愚かと言わずなんと申しましょう。
本科生の日に当たれば、募金に来る「モノトーンのオシャレじゃないお洋服に身を固め、笑ってはいけないのでしかめっ面の、本科生と目を合わせてはいけない予科生」という音楽学校ならではのしきたりなんかも垣間見ることができて、なかなか興味深い催しだったりします。どんなにしかめっ面でも目を引く子はいるものですし。
そんな風に予科の時から気になっていた子が劇団に入って、バウ公演などで役が付いてくると、おのれの目もまんざらじゃないわね……と、密かに悦に入り微笑むのです。

 

 
 

 

●入学前から知っている

一度行くと何故だかしばらくは年中行事になってしまうすみれ売り。そうして何年か続けて通っていると、面白い出来事に遭遇することもあります。
毎年遊びに来ていた子供がいたとします。「スタイルいいから入るかもねー」なんて密かに話し合っていたりすると、1、2年後に本当に袴姿で叫んでいたりするのです。そして、都合がつかなくて、すみれ売りに行けないまま2年が過ぎて……気が付けばもう初舞台を踏んでいたりするのです。……子供の成長は早いと申しますが、本当にそんな気分。

東京だとこんな話しもあります。
例えば有名人のお子様の場合。観劇時にその有名なお父さまやお母さまとご一緒だったりするわけですね、まだ子供ですから。で、その子が見るからにジェンヌ向きなスタイルだったとしたら、そりゃ、親のことがなかったとしても顔を覚えてしまいますわね、でぃーぷだと(見かけるたびに大概いいお席でご観劇だったりもするので)。
友人何人かで観劇のある公演の幕間。「ほら!あの子。まだ中学生くらいだろうから、受験すれば入るよねー」なんて誰かが口走ろうものなら、誰かが「あ!知ってる!メガネやめたんだねー」とか、「あれ、俳優の○○さんのお嬢さんだよ」とかずるずると話題は広がり、そして何年か後に俳優の誰それさんの愛娘宝塚音楽学校入学!なんてニュースがTVや新聞に報道されたりするのです。……ファンとは恐ろしい…………。
青田買いもすみれ売りや合格発表ならまだしも、入学前となると、開いた口がふさがりません。

 

 

●青田買いの女S

ここに『青田買いの女S』という異名を取る友人がいます。
昔スタッフ業などに足を突っ込んだことがある彼女は当然友人・知人の類いが関東・関西問わず大勢います。そんな関係もあって下級生(音楽学校生含む)と知り合ったりすることも多いのです。それが生徒本人である場合もありますし、親族や親であったりすることもあります。
友人数名と参加してきたあるスターさんのお茶会で見かけた本科生。あまりにも目を引きましたので、ちょうど公演中でもあるしということで、近々あるすみれ売りに彼女目当てに訪れることになりました。お茶会以来、その本科生の噂を聞かされ続けた青田買いの女S。そんな異名を取るくらいですから、それほど噂になるなら初舞台前に見ておかないと!ということで、週明けから都合よく関西方面へ出張だったのをいいことに、出発をすみれ売りに合わせて来ちゃいました。前日からムラ入りしていた私などより、よほど早く伊丹からファミリーランドゲート前に到着した青田買いの女S。合流したときにはすでに品定め(笑)を終わっており、開口一番「もうね、すぐに分かったわよ。確かにいいわー!」そして、いたく満足してその年のすみれ売りは終わりました。ええ、もちろん、ご満悦の笑顔でツーショットを撮って。
月日は流れ、初舞台も間近な文化祭の頃にもなると、不思議なことに青田買いの女Sはすっかりその生徒はおろか、お母さまとも親しくなっていたのでした。そして入団後は、ちょっと路線にのりかかったその生徒の代表代わりのような仕事までする羽目に陥ったりしたこともありました。
私の友人ですから観劇歴20年以上。となると年齢も推して知るべし。若いうちならともかく、この年になって本格的にスタッフ業などやる羽目になったら大変ですからね。おのれの行動には気をつけないと(笑)。
それとはまた別に知人の姪御さんが入団したとか、いつぞやの文化祭の誰それがすごかったから初舞台にお花を入れるの!とかでいつだって忙しい彼女のファンライフ。でぃーぷはエンドレスです。
ああ、当然この青田買いの女Sも東京在住ですから某有名人の娘さんのことは入学前から行く末を見守っていたファンの一人です(笑)。

 

 

●かわいそうな予科生

ある年のすみれ売りでの出来事です。主演女優は仮にZさんといたしましょう。
その年、Zさんのご贔屓の妹さんが予科生になりました。ファンとはおかしなもので、贔屓に関係するものとなれば中吊りであろうと、出身校であろうと、実家であろうとどんな手段をとっても見てみたいのですから、血のつながった妹ともなれば当然です。
でも贔屓の顔は知っていても妹さんのお顔までは知りません。血がつながっているんだから似ているだろうと思ってすみれ売りに行ってみましたが、誰がそうだかさっぱり分かりません。さてどうしよう……?いいえ、大丈夫。これはすみれ売り。写真もOK、名前を聞くのもOK。彼女は近くにいた予科生の一団に問いかけました。「○○さん(←当然贔屓の本名)はどこですか?」しかし、厳しい監視下(笑)の予科生たるものいくら問われたところで、「あそこにいます」と、指差すわけにも行かず、妹さんの所属するグループのいるはずの場所を教えてくれたそうです。しかし、Zさん。教わった場所に行ったはいいが、はて?どの子が贔屓の妹???その一団の誰かがそうなのだとじっとそのグループをみつめ続けました。『ここで写真を撮らねばわざわざやってきた甲斐がないぢゃない!!』目的を完遂できずに帰ってはでぃーぷの名折れです。
でも、そんな健気なファンの気持ちを神様は見捨てなかったのです。彼女はふいにひらめきました。『そーよっ!片っ端から募金をして、お名前を聞いて、写真を撮ればいいのよ』……愚かです(笑)。
こうして、無事Zさんは贔屓の妹さんとツーショット写真が撮れたとのことでした。おめでとうございます(爆)。

今年のすみれ売りは終了しましたが、まだまだチャンスはございます。校内発表会や文化祭はこれからです(笑)。
こうしてでぃーぷは明日も青田買いに走るのでした。

 

(まめ菊 )

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春千代
大阪生まれ、大阪在住。学生時代からのファン歴17年。双子座。
まめ菊
九州生まれ、東京在住。幼少の時からのファン歴25年。獅子座。
ぎん丸(イラスト)
埼玉県在住。途中ブランクありのファン歴25年。天秤座。
第1場 コアなファンは顔だけ見てる?
第2場 冠婚葬祭
第3場 地方巡業
第4場 ムラ詣で
第5場 代償
第6場 反響
第7場 努力・協力・財力……コネ
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第10場 出待ち・入り待ち
第11場 番外編:ビーナスサロンご報告
第12場 ディープへの道
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