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| 【MITSUOKA
Yuga 】光岡自動車 ユーガ |

日本には現在、自動車メーカーが10社ある。トヨタ、ホンダ、日産に三菱……と指折り数えていって9本指折ることができただけでも相当だが、10本すべてを折ることができた人は、女性でもかなりの自動車通であるといえよう。今回ご紹介する「ユーガ」は、その10番目の指にあたる自動車メーカー、光岡自動車の10台目のオリジナルカーだ。光岡自動車という名前は知らなくても、きっと1度や2度は、街でそこのクルマを目にしたことがあるに違いない。どこか懐かしいクラシカルなフォルムに、レトロ感あふれるピカピカのメッキグリル。だけど、どう見ても新しい……。光岡自動車が手がけるクルマは、「あれっ、あの車なに?」……そんな人を振り向かせずにはいられない新鮮な驚きと魅力にあふれている。
特に人気がブレイクしたのは平成5年に発表された「ビュート」だ。名車ジャガー・マーク2を彷佛とさせる美しいスタイルのこの車は、さりげなくレトロな雰囲気を漂わせて女性たちの人気を集めた。私もかつて友人に受話器の向こうから「今日街でこんな、こんな、こんなクルマ見たんだけど、どこのなんていうクルマなの?」と尋ねられたことがある。その時私はウーンと考えて、「日産のフィガロかなあ。でもあれって限定車だからもう中古でしか手に入らないよ」などと答えてしまった。それがまったくの誤りだったことは、彼女がその後、ある駐車場でそのクルマを見つけて夢中で張り込み、オーナーから直接その名前を聞き出したことから判明した。実際彼女は恋い焦がれたそのビュートを買うことはできなかったけれど、それまで特にクルマに興味など持ったことのない彼女をそこまでさせた光岡自動車の底力に、私はただただ恐れ入ってしまったのだった。
前置きがずいぶん長くなったが、今回の「ユーガ」である。そんな光岡自動車初のバンタイプのレトロカーということで、私はおおいに興味をそそられ、さっそく光岡自動車のショールームを訪ねてみた。光岡自動車のクルマは、レプリカやオリジナルのほかに、ベースとなる車両のシャシーデザインを大胆にモデファイして作られるものがある。前述のビュートもしかり、このユーガもしかり。そのために大量生産かなわずとも、個性と独創性にあふれたクルマを私たちの手に届くプライスで世に送り出すことができるのだ。ちなみにこのユーガのベースは日産のキューブ。しかしその面影はリアから見たときに気付かされる程度で、その堂々たる顔つきからは「俺をほかのクルマと比べてくれるな!」と言わんばかりの確固たる主張が感じられる。この有無を言わせぬフロントデザインを好きか嫌いかはさておき、少なくともこのクルマを選ぶ感性豊かな女性のことは好きになれそうだ……。といっても、クルマとしてトータルな面から見れば若い女性はもちろん、フツーのおじさんやおじいさんが乗っても似合いそうなその名の通り“優雅”なデザインにまとめられている。オーダーを受けてから1台1台、手作りされるというユーガ。そのため納車には最短でも4ヶ月はかかるという。古き良き時代の職人色を色濃く感じさせるのは、単にデザインのせいだけではなかったのだ。クラシカルなブラック、シルバー、ホワイトを選んでミニリムジン感覚で楽しむもよし、メタリックのピンクやイエローなど、オーダー色で自分だけのかわいい1台にしつらえてもよし。ユーガは、「誰も乗ってないクルマが欲しい!」というあなたのスピリットを満足させる格好の1台となるに違いない。
(Text by Kayo Komori)
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