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〜オンライン・トレード編〜バックナンバー
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vol.1「買いがしたい」| vol.2「売りがしたい」|
vol.3「行ってしまったのね・・・」| vol.4「アトノマツリは不吉の幕開け?」|
vol.5「エー−−!損を自分からするのオー−−??? 」
vol.6 新たなる欲望に目覚める?! | vol.7 お買い物編

 


  エー−−!損を自分からするのオー−−???

その朝のT電機の株価に疑念を抱いてしまった私は、パソコン画面からくるっと向き直り、N證券のお姉さんに電話をかけてしまっていた。「ど、ど、どうしてこんなことが起こったんですか?」と我を忘れてたたみかける私に、彼女は実に冷静だった。株の売買は、売る側と買う側がいて、その駆け引きで値がつく。その値は、時々刻々と変化する。その変化の仕方があまりに急激だったからといって、大騒ぎする方が未熟なのだ。「朝っぱらから、なんて恥ずかしいことをしたんだ、テンコ!」と自分自身を叱咤激励しながら、それでも、やっぱり釈然としない。要は、その日の、その朝のT電機の株価は、私が低めに査定した値よりも世間はさらに低く評価した、ということ。
だが、これまで順調に値上がりを続けてきた銘柄だけに、そのショックは大きなものに感じられた。まさかこんなに下がるとは・・・、という心理的ショックである。
株の値には、様々な要因が絡んでいる。政治や経済、前日のアメリカ市場の影響なんてモロに受ける。けれど、私はT電機に関して、雑誌などに「年末にはゲーム機の売上げで高値を奪回する」などと書かれていようが、ここからは「下がっていくにちがいない」という漠然とした確信をもってしまったのだ。なぜだかわからない。まだチャートの見方もローソク足ヒゲの意味も、ろくに知らなかった私ではあるけれど、これからは、上り調子だった山から下山するにちがいない・・・、と。

株で儲けようと思う人は、その株が買ったときよりも値上がりすることを信じて買う。けれども、買った後で、値下がりすると判断されれば、撤退すべきだ。当然、数万円は損をする覚悟で。
N證券のお姉さんには恥ずかしくて相談できず、友人に「損を覚悟で売ろうと思うのよ」と話してみた。皆、そこそこに私より早くから株を買った経験のある人たちばかりだ。返ってきた答は、「エー−−!損を自分からするのォー−−???」「大統領選が終われば、持ち直すと思うけど・・・」「T電機だから絶対に大丈夫よ〜。損なんて絶対しない銘柄だわ〜」「年末くらいまで待ってみたら?」「12月のボーナス商戦には、上がるんじゃないかな?」などなど・・・・。

しかし、どの意見(希望的観測)にも私は納得することができなかった。私は何としても確証が欲しかったのだ。今以上にもっと「下がる」と思うのなら、直感ではない、自分なりの判断の根拠となるものを自分で探すしかない。
土日返上でネット上の株に関するサイトを調べまくった結果、「信用残」という倍率に目が止まった。「信用取引」になんて関心もなければ手を出す気もなかったけれど、値動きを知る上で「信用残」の動きというのは、とても重要だということがわかった。私がT電機を買った週の「信用残」の倍率は2倍から約10倍へと、急激に変化をしていた。その瞬間、頭の中がスーッと冷ややかに醒めて、直感だった「下がる」という予感が確信へと変わった。
翌朝、「指値」をいくらにしよう?などと考えることもなく、私は「売り」ボタンをクリックしていたのだった。

※専門用語については、「ちょっと一息、用語について」をお読みください。


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