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その翌朝、コンピューターの電源を入れるのがいつもより早かったのは、「執行中」のつづきを、頭の中ではずっと追っていたからだろうか。おぼつかない手付きでパスワードを打ち込み、やっとのこと辿り着いた取引画面には、昨日の「執行中」にかわって「約定済」の文字が・・・。
最近ずっと下がっていたから、これくらいが底値だろう・・・、とつけた私の指値よりも、少し下がっていたのは癪にさわったけど、今日から私はM商事の株主なのね、ウフフ。。。気分は悪くなかった。
その後1週間ほどは、下げてもそこそこ、かと言って大して上がりもせず、パッとしない値動きであったが、ある日ちょっと派手に30数円ほど、ドン!と跳ね上がった。オヤ? M商事はいけるのか?!
私は、「買い」をした画面から今度は「売り」の画面の前に、しばし釘づけになってしまった。「指値」の空欄の中に入れる数字を、パソコンのテンキーを操作しつつ、物思いにふけること数十分。あまりに時間が経ってしまったせいか、「もう一度、最初から入りなおして下さい」なんていうエラーに遭遇したりして、ブツブツ・・・。これ幸いに、何度も入力するはめになったパスワードもすっかり覚えてしまい、操作は断然スムーズに。そして再び「売り」の画面へ。取引手数料と税金を差し引いて、とりあえず5万円はゲットしたい。とすると・・・・・”#$%&’()88 これだ!!
私は縁起をかついで末尾を8にそろえた数字を入力し終えると、「売り」をクリックするや、その夜も「執行中」が点滅する落ち着かない夢を見る心地で、眠ったのだった。
※専門用語については、「ちょっと一息、用語について」をお読みください。
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