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私が生まれて初めて「株」なるものに手を出した(手を染めた)のは、昨年の秋のことである。
外貨預金はしても株には縁はないだろうと、漠然と感じていた。
「株」というと、やはり少しダーティーなイメージが心のどこかにあって、人様に大声で「私、株やってます」とは言い難いものがあるのは事実だった。
そんな私がN證券のお姉さんに、「これからの時代は、こっちですよ」と口座開設と同時にオンライン・トレードの口座開設の方を薦められ、知らぬ間にスターター・キットなるCD-ROMが送られて来て、あっさりとこの道に引きずり込まれてしまったのだ。
きっと、こんな私にも幾ばくかの(世間の人並の?)金銭欲なるものが潜在していたからだろう・・・。
しかし、儲けるための行為にしては、最初から私の株式購入は、まったくその意図からはかけ離れたものだった。人間のすることは、本人も気づかぬ不合理性をもっている。
とりあえず手持ちの所持金で買えそうな銘柄は・・・、と無数にある上場企業の名を順に目で追っても、その数の多さにうんざりするだけで、その会社がどういいのか悪いのか、安いのか高いのか、さっぱり判断がつかない。それでも、買いたい。マウスをクリックして、「買い」をしたい!!
わからぬまま私の目は、全銘柄の中で、友人が勤めているM商事に止まった。
過去2年分のチャートで大まかな値動きを確認し、比較的安いなと感じただけで私は、「買い」をクリックしてしまったのだった。取引画面には、「執行中」と表示されただけで、何ら手応えというか、実感めいたものはなかった。これが後にも先にも、私が「株」を購入した最初であり、運命の幕開けだった。
※専門用語については、「ちょっと一息、用語について」をお読みください。
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