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六本木の駅から外苑東通りを乃木坂へ。
派手な外車やら黒塗りのクラウンやらぶうぶう走っているのに雰囲気的に妙にひな
びた感じのするあたりでタクシーをおりる。今日は5人ほどの団体で来ていて、
ワタクシ以外は全員男性。どやどやと案内されるままにすすむワタクシたち。
どこにでもありそうな地味〜な古いビルの2階までは大変狭くて急な階段だけど、
何かを期待させる雰囲気はあるわ・・・これは純粋なカンというより、ここに連れ
てってくださったM氏が「かーなりおススメです」と自信たっぷりに言っていたせ
いかも。なにしろ店の名前がよくないこと?
2階にあがるとすぐに入口。
「海の家」のようなスダレをパーティションにしているようなやや安っぽいしつら
えにかすかな失望を感・・・じる間もなく、青くゆらめく水槽と大きな冷蔵庫の中
にぎっしり詰まったお酒の数々が目にとびこんできたわ。
おおっと、田酒に飛良泉に黒龍に、まあ焼酎もあら泡盛もまあワインもシャンパン
も・・・そのぎっしりとした詰まりぐあいに店主の熱意を感じることができるわ。
おまけに青い水槽はいわゆる「生け簀」で、常に中の魚は入れ替わっているらしい。
もちろんお造りなどはこの生け簀から・・・。 こんな狭い店のくせにやるわね。
少なからず興奮してきたワタクシ、意気揚々とお席へ。
板間の小上がりに通されると、そこにも青くゆらめく水槽が。
あっさりした木とコンクリートの組合せの室内に青い水槽が合ってて不思議な落ち
着きを感じられる、いいお店だわ。照明もいい感じに落としてある。
残念なことに小上がりは掘り炬燵でも何でもないので、正座の苦手なマダムである
ワタクシとしてはやや辛かったわ。 あとね、生ビールがないのも少し残念だった。
でもここ、今となってはめずらしい「ハートランド」も置いているわ。
よほどお酒が好きなのね。今日のところはビンのモルツスーパープレミアムで乾杯。
今日の仕切は案内のM氏におまかせなので、何が出てくるかワクワクして待つ。
まず、衣かつぎ、牛蒡のささがきをパリパリに揚げたチップス、真鯛のお造り。
みなそれぞれお酒が大好きな一同だったので、まず衣かつぎと牛蒡チップスといっ
たアテに嬉しいものがささっと出てきたのには感激。
「あっ、だだ茶豆があるじゃないか」とメニューを見ていたS氏というおじさまが
叫び、一同また興奮する。だだ茶豆は最近なかなか生産量が少なくお目にかかれな
いけど、その甘味や香りに魅せられている人は多い。こういう地味なくせにレアで
良質なアテは酒呑みのハートにくるものなのよ。
その後は、新さんまのお刺身&生姜煮、地鶏の塩焼、ヒラメでタラコを包んでフラ
イにしたもの、イカの酒盗豆腐ようソース、あいまにサラダと白和え、豚ロースを
卵にくるんで揚げてたっぷりのネギとポン酢をかけた「ねぎとん」・・・。
お酒も飲む飲む。ビールが軽く7本あいたところで、ノってきたM氏がまず某有名
メーカーの山廃を選び出す。
「え〜? それって量産メーカーじゃない」と思ったら、それは工場とは別の昔な
がらの蔵で作っている種類だそうで、めったな店には卸していない極上ものらしい
わ。きりっと冷えたそれと真鯛の甘い身が「んんまーっ!」というほど合ってしま
って、そこからはノンストップ状態に。気がつけば「ねぎとん」を食べながら高嶺
という冷えた泡盛をみなで飲んでいる始末。お酒とアテが合うのでスルスル入る。
ここはサービスもとてもいいのでイライラがないせいもあるかしら。
見かけは居酒屋なのに、皆さんとても上品で丁寧で、常にこちらに注意を払ってい
るのが感じられる。まったくたいしたお店だわ。金額も比較的リーズナブル。
だいたい500円〜1,500円くらいで、800円前後が中心かしら。ただし、生け簀か
らのお造りは一本をおろすので、今日の真鯛で3,400円の値がついていたわ。
モノを考えれば高くはないけど、二人とかの少人数だと量的にも少し辛いかもね。
でも、小人数向けのお造りもあるのでご心配なく。
お酒も含めてメニューにはしっかり金額表記してあるので初めてでも大丈夫そう。
あ〜、もっと飲んでいたいのに、もうすぐ駅に行かなきゃいけないなんてツライわ
あ。でも、そろそろ行かなきゃ。・・・と思っていると、
「クリコさん」
「なあに」
「僕ら泊まって行くことにしました」
「な、な、なんですってぇ!」
まったく男性は、泊まるのにクレンジングもローションも化粧道具もいらないんだ
からお気楽なものよね。男性陣に裏切られたワタクシは一人夜の東京駅に帰ってい
ったのでした。おかげで接待はしていただけて、あとから聞いたところによると今
回はかなり良いお酒をばんばか飲んだので、結果的に一人16,000円くらいになっ
たらしいわ。ただいつもは7,000円前後で飲んでいるそうよ。お酒が好きな人には
心の底からおススメするわ。 |