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最近、銀座でごはんなんて食べる機会がなかったので、
この「オザミ・デ・ヴァン」も雑誌で見るのみだったのよ、嬉しい。
ここはけっこうメジャーなソムリエがやっている有名なお店。男友達が言うには
「うまい」「少し高い」「予約とれない」「でもいい店」だという。
小さな3階建てのビルの1階がレストラン、2階がアラカルト中心のビストロ、
3階がワイン・バー。
ワタクシが想像したのは、けっこうキラキラリン系の豪華内装。
だけど、小さな横道に入って店の前に着いてみると、そこは本当に小さい古いビル
を一生懸命改装したのでしょう、道に張り出したお席は木の手すりで囲って、
厚手のビニールシートで暑い外気を入れないようにしている、といった何だか素朴
な素朴な感じのお店。レストランというよりビストロね、なんて思ったけど、
よく見ればテーブルにかかっているクロスはまっ白、シルバーも良さそうな感じ。なかなか良さげなお店じゃないこと? しかし中は満席。予約がとれてない、
ということは入れない可能性が大だということね。
「予約してないので、どの階でもいいんだが。」店に入り、マネージャーにお席の
有無を聞く男友達。やはりこういう売れているお店では、予約無しなのは無謀なの
に違いない。マネージャーさんはええっ?という顔を一瞬見せたわ。
だけどすぐに席表をチェックし、「大変狭い席になりますが、よろしければ1階の
ほうにご用意できます。」と言ってくださった。またもラッキー。
確かに狭い席だったけど、許容範囲。左隣がカップルで、右隣は男同士。この男同
士が笑いながら、でも熱心にワイン談義をしていて、なかなかに微笑ましい。
カップルもたっぷりとしたグラスで赤ワインを楽しんでいる感じ。
マネージャーさんが「ワインリストをお持ちしますか?それとも食前にシャンパー
ニュか何か?」と言ってきたので、もちろんシャンパンよ!
(ワタクシこの連載でシャンパン、シャンパンと連呼しているけど、正式名称は
シャンパーニュなのよ。ごめんあそばせ。淑女のあなたは”シャンパーニュ”で統
一してね。)ここもグラスシャンパンにルイ・ロデレールを使っている。東京で流
行っているの?ともかく飲みながらマネージャーさんのお料理の説明を伺う。
ふんふん、ここの基本は4,800円のプリフィクスで、好きな前菜・メインを選ぶこ
とができる、と。あとはおすすめコース6,500円があって、内容はシーズンで変え
ているとのことだったわ。今はシェフが一番美味しいと思った各地方の有機野菜を
たっぷり使った6品くらいのコース。
ワインのコース1,500円をこれに組み合わせると、お店おすすめのマリアージュを
楽しみながら何種類かのワインを飲めるそうよ。
健康的なお野菜で体の中をキレイに、というのはいかがですか?と言われたけど、
今日は二人とも何だかガツンと行っておきたい、ということで意見が一致。
「肉だな」「肉ですわね」。
そこでプリフィクスで行くことに。
えーと、前菜は「甘エビのブランマンジェ」「大根とフォアグラのソテー」・・。
「本日の前菜」というのがあるので何か聞いてみたら「トビウオのサラダ仕立て」
だというので興味をそそられて、ワタクシはそれ。男友達は大根とフォアグラ。
さて、メイン。鴨のポワレ、ウズラのロースト、牛ほほ肉の・・・と色々あるけど
最終的に大好きな羊のローストか、マネージャーさんが「オススメ」と言った、
青森産のすばらしい品種の豚(ごめんなさい、名前忘れちゃったわ)のローストか
で悩む。男友達もどうやらその二つで迷っている。
腕組みをして向かい合う真剣な男女。
結局ワタクシは好物の羊、相手が豚を選びました。ふーっ、時間かかったわね。
難関はワインね、白と赤どっち・・・と思ったら、
男友達が「白、赤どちらも飲むでしょう?」と言ってくださったので、
すんなり値段安めのローヌの白、ロティの赤を選ぶ。さすがにワインの種類は多く
バリューもお値段も高そうなワインがこれでもか!と並んでいるけど、
下は4,800円くらいから小刻みに上がっていくので選びやすいわ。
トビウオはりっぱな背ビレ(あら?胸ビレ?)もつけたまま身だけを小さなロールに
してありカリッカリッに揚げたものに、すごく酸味の効いたドレッシング。
シャキシャキのセロリにグレープフルーツの香りがいい感じ、
男友達の大根とフォアグラも良い甘味でgood、
という風ににこやかに前菜を食べ終える。そしてメイン。
まず見てびっくりのボリューム。びっくりはしたけど、今日は食べる気満々だった
から嬉しいかも♪ 口に入れると、焼き加減も肉質も理想的にジューシー。
「んまい♪」と喜んで、目の前の男友達を見ると、
まるで貧血状態のようにクラクラしている。どうしたの?
「どうかしたの?」と心配したら、絞り出すような声でヒトコト。
「美味すぎる・・・」
まああっ、貧血おこすほど感動していたのね、このグルメさんたら!
しかし、このグルメをそこまで感動させる豚とは・・・つい行儀作法も忘れて大き
なかたまりを一切れいただいてパクついてしまったワタクシ。
ただの肉とは思えない異様なまでの柔らかさと複雑な味わい、そして香り・・・!
思わず「うぅ・・・」、はしたないけど言葉にならない。
2、3秒してやっと、んまいいいいっ!と叫んだわ。
マネージャーさんに、どうしてこんなに美味しいのか聞くと、「料理する前に塩で
少し締めて、ちょっとハムのように熟成加工をしているんです」
とだけ教えてくださったわ。
怒濤の感動、あとは幸福のみ。
ワタクシも豚を選ぶべきだったと後悔したものの、
また次の楽しみもできたし・・・全体的に料理は満足だし、
ワインもお値段の割には表情豊かで楽しめたわ。
マネージャーさんは人の好さそうな感じで気がきいてるから、過不足なくサービス
してくれていた感じ。ただし、他のスタッフはときおり動作が荒っぽいのは注意し
ていただかないと・・・。なあんて、男友達を講評を述べながら、食後酒をいた
だくひとときは楽しいわね。食後酒もおいしそうなのが色々揃っていたわ。
だからソムリエの店は好きよ。お店の中は狭いし、中もスタッフが自分でひとつひ
とつ絵やお皿を飾ったような素朴なしつらえ。そんな中でも、テーブルはまっ白な
2枚重ね、シルバーもどちらかというとクラシックな上等なもの。何より、ワタク
シたちも含めてお客様がみな楽しそうにボリュームたっぷりのお皿をたいらげて、
ワインを楽しんでいる。すごく好きな感じのいいレストランよ。
今日はこんな感じで約27,000円、一人14,000円近くね・・・グラスシャンパン飲
んで白・赤あけて、食後のマールまで飲んだから当たり前よね。
男友達が「高い」というのはこんな食べ方をいつもしているせいに違いないわ。
普通はもっと安いはずよ。 |