「だって、京都といえば湯豆腐じゃない?」
「暑いときに熱いものを食べるのは理にかなっていることなのよ。」
と熱弁をふるう女友達に、そうかもね、と相づちを打つワタクシではあったけど、
あまり観光名所っぽい湯豆腐店に行くのもなんだか気が進まないわ。
よし!ここは京都在住のお友達に聞きましょ! ・・・で、
聞いたのが「豆水楼」だったの。
何でも、最近でこそ観光客も出入りしているけど、昔は地元民に愛される、
質のわりにはリーズナブルな良い店なんだそう。
「嬉しい♪ 行ってみよ、行ってみよ。」と喜ぶ女友達を連れて、
先斗町を抜けて三条を越え、高瀬川添いにぶらぶら向かう。
このへんの風情はいいわねー。
御池通りが見えてきたところでちょっと小路に入ると奥にあるレトロな感じの
小さなお店。軒先には古い提灯が下がっていて「豆水楼 とうふ料理」
とシブい筆書き・・・んもう、女友達はその店構えにうっとり。
店内もレトロ。 靴をぬいで案内されると20人くらいの掘り炬燵式カウンター
があって、その向こうには鴨川を望んだ川床が出ている季節よ。
カウンターの中では、きりっとした板場姿の方々が5人ほど忙しそうに働いて
いる感じもなかなか情緒がある感じ。
カウンターに座って見回すと、小部屋が後ろにいくつかあるみたいで、
見かけの割にはキャパがありそう。
「今日は床もお席ご用意できますが、よろしおしたかぁ?・・・」
と仲居さんがいってくださったのだけど、ずっと歩いてきたせいか、
しばらくは外に出たくない。
とりあえず冷えた室内に滞留することにしたワタクシ達だったわ。
いつもだったら、1品料理を色々食べながらダラダラとお酒を飲むタイプの
ワタクシとこの女友達なのだけれど、ここはキレイに「お食事」にして、
あとで床を出しているバーに行きましょ、と話がまとまったので、
コースをお願いすることにしたわ。
コースは3,500円、5,000円、8,500円・・・と書いてあって、
また別に「旬の豆腐懐石 5,000円」とも書いてある。
ふつうのコースより懐石らしくやや品数多め、
ということなのでそちらにしてみる。今のシーズンはメインの湯豆腐を
冷やしおぼろ豆腐というのに変えているのだそう。
(「湯豆腐にしてもらう?」と女友達の反応を見てみたけど、
このロケーションがよほど観光客としての感性に合ったと見えて、
さっきほど「湯」豆腐にはこだわっていないらしい。
「暑いし、別にこれでいいじゃない」と言い放ったわ。)
ちなみに朴葉味噌焼とかの一品料理も数々あって、
豆腐料理は1,000円から2,300円って感じだったかしら。
とりあえずビールぅ、
と頼んだら袴(ビールの底をカバーする木のやつね)をはいた中瓶が・・・
ん〜っ、レトロ。 差しつ差されつ、少しずつ日の暮れるのを眺める。
お料理は、美しく盛られた軽い前菜、氷の上にピンとした白身のお造り、
お麩の焚き物とまず出てきたわ。途中でお椀が出てきたので冷酒に切り替えて、
海老の冷製葛あん、上品な味噌田楽、天ぷらを楽しむ・・・お味のほうは、
ちょこちょこ隙はあるけれど(天ぷらの揚げ加減とか)生真面目な日本料理
といった感じのお出汁や味付けで、まあ悪くなくてよ。
そして、メインのおぼろ豆腐。これはやはり、看板にするだけの力があったわ。
お豆の味がとろとろ、ほわほわと口にとろけて「んまっ」。
少しお行儀が悪いけど、お出汁をかけてくずしたやつをご飯にのせていただく
とこれもまた・・・。
そんなお店のサービスは、というと・・・可もなく不可もなくで、
普通の料理屋さん。仲居さんはパタパタと走り回っているだけだし、
カウンターの中の板さんたちは、寡黙。
ただ、常連さんらしい老夫婦と料理の会話をしていた雰囲気を見ると、
気がすごく利いてるとかではないけれど、不親切では決してないという感じね。
今日のお支払いは二人で13,000円ちょっとで一人6,600円くらい。
そこから約束通り、バーへ・・・というときにはぴったりのお店かしら。
昼もやっているそうで、昼しかない2,000円の精進コースがあるそうよ。
・・・ここで昼間からお豆腐とお酒っていうのもいいかも・・・。
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