「運がよければ入れるはずなんだ」とエレベーターでビルの9階をめざす男友達は思いつめたように言う。 このビルは札幌駅に出来たばかりの「STELLAR PLACE」といって、ショッピング&レストランが売物だけど、レストランの中でも別格扱いの「MIKUNI」。 なにしろ「あの」三國シェフが「思い入れのあるこの土地で」つくった本格的フレンチレストラン。 期待がふくらませつつも、オープン初日なので、「どうせ入れるはずないわ」と心ひそかにあきらめているワタクシでした。 ・・・・「ご予約がないと、あいにく・・・」思ったとおりのことを答えるレストランスタッフ。その間にもエレベーターでわんさか人があがってきては、同じことを言われて帰って行くの繰り返し。 かなり混雑している。 当たり前ね。
「だめか、そうか、だめなのか・・・。」肩を落としながらも、なお立ち去りがたく未練を全身であらわす彼に、何かを感じ取ったのかもしれない。あるスタッフが少し考え込んで「・・・・しばらくお待ちくださいませ、もう一度見てまいります。」と言ってくれたではないの!しばし待って「ご案内いたします」と中に入れてくれたわ♪♪♪ ねばり勝ちとはこのことよね。
外の喧騒とはうらはらに、南側の大きな窓から陽光がさすゆったりした店内でみなさまが食事を楽しんでいるさまは、見た目にも心地いい感じ。フレンチブルーが効いたインテリアは「上質」という言葉が似合うイメージ。シャンデリアや銀器はシンプルシックで上品なコーディネートだし感心よ。天井にも壁にもカーペットには、さりげないようで実はしつこく三國のイニシャル「M」を使ったモチーフがうず巻くのには苦しかないけど。とりあえず男友達はビール、ワタクシはスパークリングワイン(またはヴァンムスー)をグラスでいただく。どちらも600円。お安いわ。オープンしたばかりのせいか3種類のコース料理のみで、アラカルトは無し。 2,800円、3,500円、5,000円とあって、「根室産黒鰈の・・・」「積丹産黒ソの・・・」「羅臼沖真すかべの・・・」とどれも興味をひいて甲乙つけがたい。 ワタクシたちはこの上ない真剣さでメニューを吟味し、2,800円のコースに。 お魚かお肉を選べるのだけど、「根室産黒鰈」と「フランス・シャラン産鴨もも肉」では地の物に軍配が上がり、二人とも魚にしました。
「んまいぃぃっ♪」ひさしぶりに心から美味しい!さっきの北海道産サッポロポークのリエットもすごくよかったけど、この「岩海苔のソース」がかかった黒鰈にプチプチした黒米のリゾットのアクセントが効いた一皿は記憶に残る味だったわ。一番そそられただけのことはある。 デザートの牛乳のブラマンジェもミルクの味がとても優しい、いい風味よ。とにかく質がいい味といえるわね。サービススタッフは一生懸命でとても親切。若いギャルソンは頬を紅潮させながらも、こちらをリラックスさせようと気を使ってくださる。時々料理名を言い損なっていたけど、それはご愛嬌ね。オープンしたてのときは、なかなか行き届かないものだけど、たぶんこの「暖かく真摯なサービス」のスタイルはオーナーの強いポリシーなのでしょう。好意が持てるわ。このままこのサービスレベルをキープしてほしい、と心から祈るワタクシ。多少旅の高揚した気分もあって、いつもより全体的に点が甘めなのかもしれないけど、こんなスタイルで豊かな北海道の原材料を味あわせてくれるなら、かなり価値のあるレストランだと思うわ。
店内は禁煙らしいけど、バーカウンターとラウンジのコーナーがあって、そこでは喫煙可。煙をくゆらせながら「ん〜。入れてよかったなあ〜」と余韻にひたる男友達。ワタクシも満足感でいっぱい。今日のお値段はコースのほかに飲み物を二杯ずついただいたから、二人で約9,200円ってとこね。今日はスケジュールの関係でランチだったけど、機会があったらディナータイムに来たいわ。ディナーコースは6,800円と10,000円があるそう。ワインはボトルでも4,000円くらいからあるみたいだし、料理やサービスのレベルから考えると、わりとリーズナブルかしら。「北海道っていいわあ」と心から思うワタクシでした。
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