今年の日本の天気は何だか狂ってる。もう九月だってのに毎日どういうこと?
空はちょっぴり高くなった気はするけどまだまだ体感温度は亜熱帯の夏真っ盛り。
汗ばんだ体をお風呂でスッキリ、気分をシャッキリさせたいですよね。
寝る三時間前に入浴して体温上げておくと快眠できるって「あるある大辞典」でも言ってたし、ぬるめのお湯に浸かってじっくり読書でも♪
そこで今回は静かに自分の恋愛観を考え直せる小説をご紹介したいと思います。
熱く激し〜い恋愛ものじゃ余計に気温がヒートアップしちゃうもんね。
“「薔薇の木 枇杷の木 檸檬の木」 江國香織著 集英社文庫 680円”は
5組の夫婦とその妹や妹の友人、不倫相手、仕事上の部下などが織り成す物語です。
おぉ〜〜!っとビビるような衝撃的な展開はないけれど、それぞれの人物の小さな事件とその心情を絡めながら話は進んでいきます。
この物語では特には主人公が決まってはおらず、それぞれの人物の主観で物語が語られます。
主人公が決まっていないとはいえ、ついつい自分の今の境遇に一番近い人物が主人公に思えて来てしまいます。例えば私なら専業主婦で夫と2人のんびり暮らしている陶子という女性が主役に思えてしまう。
離婚を考えている働く女性、夫の不倫に悩みながらも良妻を演じてしまう女性、子供のいる専業主婦、結婚に迷いを感じるOL、独身主義のOL、不倫を楽しんでる女性、上司の夫のネコババをもくろむ根ババ女、誰にでもシンパシーを感じて主役にしてしまう立場の登場人物がいるのではないでしょうか?
では私が主人公だと感じた陶子はどういう女性かというと、おっとりとした性格で愛犬をこよなく可愛がり、夫との仲も良く、金銭的にも恵まれ友人との主婦ランチを楽しみにしている表面的には満たされている平凡な女性です。
そんな彼女が“自分のことは誰にも理解できない”、全てに満たされながら“誰よりも孤独だ”と感じる。思わず「そうなんだよね〜」と溜め息をついてうなずいてしまいました。
ポツンと一人でお家にいるとふと独身時代には感じることの無かった孤独感とか寂寥感に襲われてしまうんですよね。(ちょっとメロウな自分に酔ってたりもするケドね。)
「孤独に耐えられない者に結婚する資格はない」という言葉ってほんと的を射てる。
そんな陶子がある出会いから情事に走ることになります。(お相手は嫁に愛想つかされかけてるダメ男。ところが陶子にはその嫁が嫌ってる部分が魅力的に映ってる。人の価値なんて受ける側の主観によって分かんね〜もんだな……)
でも彼女は自分の孤独感を恋人で紛らわしているのではなく、とても冷静に情事と割り切っている。
孤独は自分自身で引き受けちゃってる、まさに結婚向きの強くてしたたかな女性なのです。
そして陶子以外の女性達もとても強い女性ばかり。
皆恋愛に悩み葛藤してるのに前に進むことを止めない。
まさに現代女性の恋愛の縮図のような物語です。
今なんだか気分が失速中!!と感じている方、自分の置かれた立場に近い登場人物の物語を通して、ちびっと前進するってことを思い出せるかも。
やっぱ女はGo Ahead! ほふく前進みたいな早さでも前へ!!
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「薔薇の木 枇杷の木 檸檬の木」
集英社文庫 680円
江國 香織 |
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