●第6回“臓器農場”のススメ

“クエン酸ダイエット始めました。”
クエン酸ダイエットってご存知ですか?グレープフルーツなどに含まれるクエン酸には摂取すると体内の脂肪を燃やしやすくするという働きがあるそうです。
常日頃から無糖の100%のグレープフルーツジュース(フレッシュがGOOD)を飲む事を心がけていれば徐々に脂肪が燃焼していくらしいのです。
しかし、ノンノンノン、春はすでに到来してしまい悠長に構えていられません。
ジュースよりも補給しやすいものはないのか〜。と、ブツブツ言っていると主人から「だから僕前からこれ飲みって言ってるやん」とスティックを差し出されました。
それは主人がいつもスポーツの後に飲んでいるドリンクの粉末でした。
主人曰く、その粉末にはクエン酸の他、アミノ酸なども含まれており、最近お肌の問題でよく聞くフリーラジカル(活性酸素による体の錆び付き)も防止できるらしいのです。そういえば、その粉末を買った時、主人はクエン酸はダイエットにいいと確かに言ってました。
しかし、また主人の“知ったか”だと思った私はその意見を黙殺していました。そして、「(クエン酸について)僕が教えた時は信じずに、テレビでやってたら信じるのか〜」と床に指で“の”の字を書く主人を尻目にクエン酸ダイエットを決行することにしました。
早速退屈な時の友、通販番組ショップチャンネルで30袋入りを2箱購入し、現在進行中です。
結果はまたご報告したいと思います。

“今回は社会派で。ちょっとまじめに考える”
「感じのよい人」といわれる人 いわれない人
今回は「臓器農場 帚木蓬生 著 新潮文庫 781円」をご紹介したいと思います。
何だか物騒なタイトルですが、実はとてもヒューマンな物語です。
主人公の新人看護婦規子は、自らの希望する最新設備を備えた病院に就職し、また希望であった小児科に配属されます。意欲に燃え働く彼女に偶然一組の男女の言葉が耳に飛び込みます。「無脳症児」という聞きなれない言葉。
やがて彼女の中で、他の病院よりも圧倒的に子供の臓器移植の多いこと、また親友の勤務する産婦人科に何故か存在を隠されている特別病棟の存在があること、そして「無脳症児」
という言葉が一つの輪郭を形成します。
共に真相を究明しようと立ち上がった青年医師と親友の看護婦の不可解な死。
そして規子にも死の恐怖が迫り来る!一体病院の秘密とは?というドキドキハラハラがテンコ盛りのサスペンスです。

“サスペンスから現代社会を考える”
物語の舞台小児科病棟は、著者が現役の医師だけにそこでの日常生活がとてもリアルに描かれています。病気を抱える子供達の日常の悲喜に少し胸が痛くなりました。
子供達の病気の中で特に考えさせられたのは“代理人ミュンヒハウゼン症候群”という症状です。
「ミュンヒハウゼン症候群」というのは、いつまでも患者でいたいという願望から、自ら尿に故意に血を混ぜたり、手術痕をわざと化膿させたりすることですが、「代理人ミュンヒハウゼン症候群」というのは病人の看病をしている人が、いつまでも看病を続けたいという願望から病人の点滴に異物を混入したりして病気を長引かせることだそうです。
原因は看病している事でしか自分の存在意義を表現できないこと、病人を看病しているということで第3者に自分の存在意義を認めさせたい事などがあるそうです。
最近の児童虐待の問題で、自分の存在を証明する為に母親が子供の病気を故意に重くして利用することが少なくないそうです。
もし、自分が夫からも周囲からも認められず、孤独に陥ったら?誰にだって可能性は考えられますよね。

“普段考えない人間の尊厳までも考えてみる”
この物語のキーになる登場人物は知的障害を持つケーブルカーの運転手さんです。
彼は自分の障害を受け入れ、日々生きる事を粗末にせず、真摯に誠実に生きています。
この物語の根幹を成す、「無脳症児」(生まれつき脳を持たず、生まれても存命は難しい。脳を持たないということは思考をしないと考えられる)は人間なのかそれともただの物体なのかという疑問に彼の無垢な存在が生きてくるのです。
母親の体内に宿った時点でどんな状態にあってもそこに尊厳が存在するということを考えさせられました。
何だか少し考えさせられる社会派サスペンス。自分の存在に否定的になった時、生きる意義についてふと思い立った時、読んでみられてはいかがでしょうか。